
Why Regenerative Medicine
「病気は治った。でも、元気にはならなかった」——院長が再生医療にたどり着いたのは、この一点からでした。
腎臓内科医としてICUで多くの患者を受け持ち、在宅医療で500名を超える方を担当してきた院長が、なぜ自院に培養室を持つことにしたのか。母親の難聴をめぐる迷いも含めて、率直にお話しします。
「病気は治った。でも、健康にはなっていない」
院長・野口 淳は、もともと腎臓内科の医師です。大学病院ではICU(集中治療室)の患者を数多く受け持ってきました。
そこで繰り返し見ていたのが、こういう場面でした。
院長は動画のなかで、この点を繰り返し語っています。病気は治る。けれども、元のように歩けない。食べられない。認知が進む。治すことと健康にすることは別で、後者に手を打たなければならない——という趣旨です。
肺炎で入院して、感染は治まった。検査値も戻った。それでも歩けなくなって退院する。神経と筋肉が弱ってしまったからです。
病気を治すことと、元気を取り戻すこと。この2つは別の課題でした。
ICUで見ていたこと
もともと院長の実家は、小学校の前にある耳鼻科の医院でした。子どもから高齢の方まで、地域の人が「何でも診てくれ」と訪れる場所です。
その環境で育ったこともあり、大学では「頭の先から足の先まで診たい」と考えました。
専門を細かく分けるほど、その領域は深くなる。けれども自分の専門だけを見て終わるのでは、その人を全体として診ることにならない——というのが院長の考えでした。
専門を細かく分けるほど、その領域は深くなります。ただ、目の前の人を丸ごと診ることからは遠ざかる。院長がICUに関わり続けたのは、そこで全身を診る訓練ができたからでした。
院長が定義した「健康の3要素」
「健康にする」とは何をすることなのか。院長は、自分なりに3つの要素で定義しました。

- 1
- 免疫が高い状態であること
- 2
- 臓器の修復が行われていること
- 3
- 神経の新生・再生が行われていること
この3つを満たすために何ができるか。院長はまず、薬以外のところから試みています。運動、人とのコミュニケーション。1日に5回笑わせに行けと現場で言っていた時期もあったといいます。
そうした試みを重ねた先にたどり着いたのが、再生医療でした。なお院長は、在宅医療で500名を超える患者を担当してきた経歴も持っています。
※ 再生医療がこの3要素を満たすことを示したものではありません。院長がこの分野に関心を持つに至った経緯としてご紹介しています。
母の難聴と、手術をめぐる迷い
もうひとつ、きっかけがありました。院長の母親も耳鼻科の医師で、長く外来を続けていました。その母の耳が、だんだん遠くなっていったのです。
症状が進んだとき、手術という選択肢が出てきました。しかし院長は、老化という観点から、手術には慎重でした。
院長の説明はこうです。侵襲の大きい手術は、体が持っている修復のための物質を大量に使ってしまう。その蓄えが減っていくことが老化であり、だから大きな手術は老化を進める側面がある——という見方です。
体には、傷んだところを直すための材料が備わっています。院長の見方では、大きな手術はその材料を一度に大量に消費します。目の前の問題は解決しても、体全体の余力は削られる。
だから、母には別の方法を試したいと考えました。そしてそのためには、納得できる細胞を自分で用意する必要がありました。
この記述は、院長が再生医療に取り組むに至った動機の説明です。難聴に対する治療の効果を示すものでも、手術の代替となることを示すものでもありません。当院は難聴について、幹細胞培養上清液の点滴・点鼻のご相談を受けていますが、まず耳鼻咽喉科での評価をおすすめしています。
だから、自分で培養室を持つことにした
2021年5月の開院までに、院長は他の再生医療クリニックで経験を積みました。そこで「何が良くて、何が良くないか」が見えてきたといいます。
自分で培養室を持ち、自分の考えに沿ったものを作って投与すること。それが院長にとって重要になった、と動画では語られています。
細胞の培養を外部に委託すれば、施設を持たない分だけ費用は下がります。それでも院内にCPC(細胞培養加工施設)を設けたのは、投与するものを自分で決めたかったからでした。
CPCの設置には、再生医療等安全性確保法にもとづく届出と、認定再生医療等委員会の審査が必要です。保険診療とは別の枠組みで、審査も簡単ではありません。当院はこの手続きを経て、再生医療等提供計画番号 PB3230270・PB32240141 と、細胞培養加工施設番号(CPC) FC3230067 を取得しています。
培養室の3つのこだわり

1. 清潔であること
まず、ウイルスや微生物を培養室に持ち込まないこと。出入りする人の消毒、着替え、外部のものを持ち込まないという基本の徹底です。「もうこれは絶対重要」と院長は言います。
2. 扱える数には上限があること
これは、あまり語られない話です。
培養室にいる人数は限られています。患者が増えれば、それに見合った人手も増やさなければならない。けれども、それは物理的に簡単ではない——院長は動画のなかで、この制約をはっきり口にしています。
3. 投与までの新鮮さ
培養した細胞は生き物です。状態が落ちた細胞が多いものを投与すると、リンパ節などに取り込まれて負担になったり、免疫が働く原因になったりする可能性があると院長は説明しています。
だからこそ、できた細胞をすみやかに投与できる体制が要る。培養室が外にあってはいけない、という結論です。搬送の工程を挟まないことが、当院が院内CPCを選んでいる理由のひとつです。
※ 品質管理体制や工程管理は、治療効果を保証するものではありません。
ご自身が対象になるかどうかは、初診で確かめられます。初診は5,500円(税込)で、来院・オンラインとも同額です。適応の見立てと費用を書面でお示しし、その場でお断りいただいて構いません。
お断りすることもあります
2番目のこだわりから、当院にはひとつの方針があります。
用意できる量には限りがあるから、こちらで患者をお断りすることもある。そうしないと事故が起こる——院長は動画のなかで、そう説明しています。
培養できる数には上限があります。受け入れを増やせば、一つひとつにかけられる時間と手間が減ります。それは品質が下がるということです。
当院が適応の判断を丁寧に行い、適応がないと判断した場合にはっきりお伝えしているのは、誠実さの話であると同時に、この物理的な制約の話でもあります。
ご相談いただいてもお受けできないことがあります。その場合は、理由もあわせてご説明します。
動画でも解説しています
この記事は、当院院長と培養士が対談形式で解説した動画をもとに構成しています(約15分)。
参考にした公的情報
本記事の制度に関する記載は、次の公的情報を参照しています。いずれも外部サイトが開きます。
- 厚生労働省「再生医療について」再生医療等安全性確保法の概要と、国の制度についての公式情報。
- e-Gov 法令検索「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」CPCの届出と認定再生医療等委員会の審査についての条文。
よくあるご質問
なぜ腎臓内科から再生医療へ進んだのですか?
「健康の3要素」とは何ですか?
お母様の難聴は再生医療で改善したのですか?
なぜ外部に培養を委託しないのですか?
患者を断ることがあるというのは本当ですか?
どのくらいの規模で運営しているのですか?
院長に直接相談できますか?
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お受けできるかどうかから、ご相談ください
培養できる数には上限があるため、お待ちいただくことがあります。
まずは適応があるかどうかを、初診で確かめさせてください。
ご希望の日時は選択式で、第2希望までお選びいただけます。お申し込みのあとで、その場で治療をお決めいただく必要はありません。
最終確認日:2026-08-17