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幹細胞治療

Stem Cell Therapy

あなた自身の細胞を用いる再生医療を、仕組みから正直に解説します。

幹細胞治療は、患者様ご自身の体内にある「幹細胞」を活用した再生医療です。

薬で症状を抑えるのではなく、細胞レベルから体の修復を促すことを目的としたアプローチとして、国内外で研究・実践が進んでいます。

このページでは、幹細胞治療の仕組み・流れ・費用・リスクと限界まで、医師の立場から正直にお伝えします。「必ず治る」という説明はしません。比較検討の材料としてご活用ください。

Point 仕組み・流れ・費用・リスクを丁寧に解説
Stance 医師の立場から誇張なく比較検討材料を提示
幹細胞治療の流れや適応について医師が患者に説明するカウンセリングの様子

Basics

幹細胞とは何ですか

幹細胞とは、自分自身を増やす能力(自己複製能)と、別の種類の細胞に変化する能力(分化能)を持つ細胞です。体内では、傷ついた組織の修復や、細胞の入れ替わりを支える役割を担っています。

たとえるなら、幹細胞は「体の中の修理工場」です。

皮膚を切っても数日で治るのは、幹細胞が傷ついた場所に集まり、必要な細胞を作り出して修復するからです。

骨・筋肉・神経・血管など、体のほぼすべての組織に幹細胞は存在しており、私たちの体を日々修復・再生しています。

しかし、加齢や慢性疾患により、この自己修復力は徐々に低下していくことが研究で示されています。(参考:Lopez-Otin et al., Cell. 2013)

幹細胞治療はこの仕組みを活用します。

体外で培養・増殖させた幹細胞を体内に戻すことで、低下した修復力をサポートすることを目的とした医療です。

通常の細胞と幹細胞は何が違うのか

通常の細胞
1種類の働きを担う通常の細胞
  • 1種類の働きしかできない
  • 分裂回数に限りがある
幹細胞
自己複製と分化の能力を持つ幹細胞
  • 骨・筋肉・神経・血管など多様な細胞に変化できる
  • 自分自身を増やす力を持つ
  • 傷ついた場所に集まり、修復を支える

幹細胞が変化できる細胞の例

骨の細胞
筋肉の細胞
神経の細胞
血管の細胞

What is Stem Cell Therapy

幹細胞治療とは何ですか

幹細胞治療とは、患者さまご自身の幹細胞を体外で培養・増殖させたのちに体内へ投与し、組織の修復や機能の回復を促すことを目的とした再生医療です。当院では、腹部から採取した脂肪に含まれる間葉系幹細胞を用いています。

幹細胞治療とは、患者自身または他者の幹細胞を体外で培養・増殖させたのちに体内へ投与し、損傷した組織の修復や機能回復を促すことを目的とした再生医療です。

当院が提供するのは「自家幹細胞治療」——患者様ご自身の脂肪組織から採取した脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)を使用する方法です。

他者の細胞を使わないため、一般に他家細胞に比べて拒絶反応の懸念が小さいと考えられています。ただし、採取・投与に伴う合併症や有害事象の可能性はあります(詳細は後述)。

日本では、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)に基づき規制されており、当院は厚生労働省への届出を完了しています(提供計画番号 PB3230270・PB32240141/細胞培養加工施設番号 FC3230067)。厚生労働省が公開する提供機関情報データベースで確認いただけます。

法規制のもとで提供される再生医療です

再生医療は自由診療ですが、無秩序に実施してよいものではありません。当院では、法令と安全管理基準に従って治療を提供しています。

主な作用メカニズムは「パラクライン効果」と考えられています

投与された幹細胞は、成長因子・サイトカインなどを分泌し、周囲の組織に働きかけることで修復環境を支えると考えられています。一方で、長期間にわたって幹細胞そのものが定着することは例外的であり、作用の持続期間には個人差があります。

投与方法は2種類あります

当院では、症状・部位・目的に応じて点滴投与と局所注射療法を使い分けます。

幹細胞を静脈から点滴で全身に投与する方法のイメージ

点滴投与(全身へのアプローチ)

幹細胞を静脈から点滴で投与する方法です。血流を介して全身に届けるため、全身的な症状や慢性疾患に対して幅広く用いられます。

膝や股関節など患部へ幹細胞を直接投与する局所注射療法のイメージ

局所注射療法(患部へのダイレクト投与)

膝関節・股関節・肩関節など、症状のある部位に幹細胞を直接投与する方法です。患部への局所的な作用が期待されています。

点滴投与と局所注射療法の違い

比較項目点滴投与局所注射
投与経路静脈から全身へ患部に直接
主な対象全身症状・慢性疾患関節・局所病変
作用の経路血流を介して届く患部でパラクライン効果
定着期間短期間が多い局所にとどまりやすい傾向
組み合わせ単独または局所と併用単独または点滴と併用

3つの治療の違い

比較項目幹細胞治療幹細胞培養上清液点滴点鼻・吸入療法
使用するもの自分の幹細胞幹細胞が産生する成分幹細胞が産生する成分
採取手術必要不要不要
培養期間4〜6週間不要不要
投与方法点滴・局所注射点滴点鼻・吸入
対象の目安慢性・難治疾患幅広い症状手軽に始めたい方

エクソソームとは何が違うのか

「幹細胞治療」と「エクソソーム」は、しばしば並べて語られますが、同じものではありません。幹細胞治療は細胞そのものを投与します。培養上清液は、幹細胞を培養したあとの上清を回収・精製したもので、成長因子・サイトカイン・タンパク質・細胞外小胞などを含みます。エクソソームは、その培養上清液に含まれる細胞外小胞の一種です。つまり、含まれる範囲が三者で異なります。

比較項目幹細胞治療幹細胞培養上清液エクソソーム
投与するもの幹細胞そのもの培養後の上清を回収・精製したもの細胞外小胞の一種
含まれるもの生きた細胞成長因子・サイトカイン・タンパク質・細胞外小胞などmiRNA・タンパク質・脂質など
位置づけ細胞を入れる治療複数成分を含む製剤培養上清液中の成分の一部
採取手術必要不要不要
注意点培養に4〜6週間かかる製造工程・品質管理で内容が変わる単独で効果を保証するものではない

当院では、エクソソームという単一の成分だけを強調するのではなく、製造工程・成分測定・品質確認・投与目的を含めて、医師が総合的に判断することを重視しています。

※日本再生医療学会は「細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンス」において、細胞外小胞等を用いる医療について、安全性・有効性への慎重な検討と、製造工程・品質管理の確認が重要であることを示しています。

Quality Control

当院が幹細胞治療で重視している品質管理

投与前に、細胞数・生存率・無菌性・エンドトキシン・マイコプラズマを確認しています。基準を満たさない場合、投与は行いません。再生医療の経過は使用する幹細胞の状態に左右されるため、当院では以下の4点を品質管理の柱としています。

01

採取から投与までの院内一貫管理

採取・培養・加工・品質確認・投与のすべてを院内のCPC(細胞培養加工施設)で完結します。外部委託・搬送が発生しないため、細胞の状態を一定に保ちやすい環境を整えています。

02

1回の採取で最大6回分を確保

取り出した幹細胞を6株に分けて凍結保管します。各回の投与に合わせて解凍し、院内CPCで培養してから投与するため、2回目以降の脂肪の再採取は不要です。

03

SOPと工程記録に基づく管理

全工程をSOP(標準作業手順書)と工程記録に基づいて実施し、品質の記録・確認・トレーサビリティを確保しています。

04

自家由来細胞・自家血清の考え方

培養に使用する血清も患者様ご自身の血液から作製したものを使用します。外来成分の混入を最小限に抑えることを方針としています。

外部委託 と 院内一貫管理 の違い

外部委託の場合搬送・委託あり 6工程
採取
医療機関
搬送
外部施設へ
培養・加工
外部CPC
品質確認
搬送
医療機関へ
投与
医療機関
  • 搬送や委託により管理工程が分散しやすい
  • 保存・輸送条件の影響を受ける可能性がある
院内一貫管理の場合当院CPCで完結 4工程
採取
当院
培養・加工
院内CPC
品質確認
投与
当院
  • 搬送がなく、工程を院内で一貫管理できる
  • 管理の連続性と確認体制を保ちやすい

管理体制の違い

工程の数だけでなく、管理のしかたも変わります。項目ごとに整理しました。

比較項目院内CPC(当院)外部委託
細胞の移動院内で完結外部施設へ搬送が必要
管理範囲採取・培養・品質確認・投与まで院内管理一部工程を外部施設で実施
温度管理院内で連続管理しやすい搬送時の管理が重要
細胞の保管院内で6株に分けて凍結委託先施設で保管
医師との連携治療計画と培養工程を連携しやすい連携体制の確認が必要
トレーサビリティロット・工程・投与記録を院内で把握委託先との記録連携が必要
清浄度の実測値525個/m³(ISO-7相当)施設により異なる

安全性と品質管理の確保を重視しています

当院は、法令と安全管理基準に従い、信頼できる再生医療の提供に取り組んでいます。※品質管理体制は治療効果を保証するものではありません。

Cell Culture

どのように培養しているか

同じ「幹細胞治療」でも、どこで、どんな環境で、何を使って培養したかによって、投与する細胞の状態は変わります。幹細胞治療は、採取した細胞をそのまま戻すのではなく、数週間かけて育ててから投与します。この培養工程は患者様の目に触れないため、外からは違いが分かりません。当院が培養のどこに手をかけているかを、数値と方針でお示しします。

培養に関する項目当院の条件
採取する脂肪の量約10〜20cc局所麻酔・日帰り。1回の採取で培養のもとになる細胞を確保します。
培養する場所院内のCPC(細胞培養加工施設番号 FC3230067)外部委託・搬送がありません。採取から投与まで同じ施設内で完結します。
培養環境の清浄度ISO-7相当/浮遊微粒子 実測525個/m³ISO-7の基準上限は352,000個/m³です。実測値はその約1/670にあたります。
清浄度の測定方法TSI Inc 濃度測定器 9310-02対象面積41m²・14点(作業時)で測定した値です。
培養期間約4〜6週間細胞の増え方には個人差があり、期間が前後する場合があります。
培養に使う血清患者様ご自身の血液から作製した自家血清ウシ胎児血清など、他の動物に由来する成分は使用しません。
細胞の保管6株に分けて凍結保管1回の脂肪採取で最大6回分。2回目以降は採取し直す必要がありません。
投与前の確認細胞数/生存率/無菌性/エンドトキシン/マイコプラズマ基準を満たさない場合、その細胞は投与しません。

培養液に、ほかの動物に由来する血清を使いません

細胞を育てるには、栄養を与える血清が必要です。細胞培養ではウシ胎児血清(FBS)が広く使われています。入手しやすく、細胞がよく増えるためです。

当院では、患者様ご自身の血液から作製した自家血清を使って培養します。ご自身の体から出たものだけで育てることで、体にとって本来は縁のない成分が入り込む余地を減らすという考え方です。

手間はかかります。培養のために採血をお願いする必要があり、採れる量にも限りがあります。それでも当院はこの方法を続けています。

※自家血清を用いること自体が、治療の効果を高めることを示すものではありません。培養方法と治療成績の関係については、まだ研究の途上にあります。

1回の採取を6株に分けて、必要なときに育てます

取り出した幹細胞は、6株に分けて凍結保管します。投与のたびに1株を解凍し、院内のCPCで培養してからお使いいただきます。

この設計には理由が2つあります。ひとつは、2回目以降に脂肪を採り直さなくてよいこと。採取手術は1回で済みます。もうひとつは、同じ日に採取した同じもとの細胞から育てるため、回ごとの条件を揃えやすいことです。

投与する前に5つの項目を確認し、基準を満たさなければ投与しません

培養が終わった細胞は、そのまま投与するわけではありません。細胞数・生存率・無菌性・エンドトキシン・マイコプラズマの5項目を確認します。

細胞数と生存率は、生きた細胞がどれだけ育ったかを見るものです。無菌性・エンドトキシン・マイコプラズマは、培養中に細菌や微生物が混入していないかを調べるものです。

いずれかが基準を満たさない場合、その細胞は投与しません。培養をやり直すか、今後の進め方を医師とご相談いただくことになります。

細胞が何を出しているかも測っています

幹細胞治療の主な働きは、投与した幹細胞がそのまま傷んだ細胞に置き換わることではなく、細胞が周囲に放出する成分が、まわりの組織にはたらきかけることだと考えられています。このページの前半でご説明したパラクライン効果です。

そうであれば、育った細胞の数を数えるだけでは足りません。その細胞が何を出しているかも見ておく必要があります。当院では、同じ培養工程から得られる培養上清について、次の10項目を測定しています。

  • HGF成長因子
  • VEGF成長因子
  • EGF成長因子
  • FGF成長因子
  • TGF-β成長因子・サイトカイン
  • IGF-1成長因子
  • IL-10サイトカイン
  • IL-6サイトカイン
  • TNF-αサイトカイン
  • エクソソーム関連マーカー細胞外小胞

測定は製剤ごとに行い、品質確認の記録として残しています。「高濃度」「高品質」という言葉だけでは中身が分からないため、項目を決めて測るという考え方です。

実際に測った値も公開します。下表は、代表的な成長因子であるHGF(肝細胞増殖因子)を測定した結果です。測定日・測定法・標準曲線の範囲まで併記します。どの範囲まで正確に言えるのかを含めてお出しするのが、数値を公開する責任だと考えています。

由来HGF 実測値測定の状況
胎盤由来当院で使用15,018 pg/mL検量線の延長により算出希釈2倍/標準曲線の上限を超過
歯髄由来当院で使用8,784 pg/mL標準曲線の範囲内で定量希釈4倍
一般的な歯髄由来上清液比較のために測定5,599 pg/mL標準曲線の範囲内で定量他社製品1検体・参考値
脂肪由来参考値4,392 pg/mL標準曲線の範囲内で定量成人男性(20歳)の検体
培養上清液のHGF実測値のグラフ。当院で使用する胎盤由来15,018pg/mL、歯髄由来8,784pg/mL、比較のために測定した一般的な歯髄由来上清液5,599pg/mL、脂肪由来4,392pg/mL。胎盤由来は標準曲線の上限8,000pg/mLを超えたため検量線の延長により算出

測定日:2026年3月14日/測定法:ELISA(R&D Systems DuoSet ELISA DY294・Human HGF)/標準曲線:62.5〜4,000 pg/mL(R²=0.9879)/各検体 n=1
※胎盤由来について。希釈後の吸光度が標準曲線の上限(4,000 pg/mL)を超えたため、検量線を延長して算出した値です。延長の方法によって結果が変わるため、直線近似・高濃度域の局所傾き・4パラメータロジスティックの3通りで再計算しました。いずれの方法でも上表の値を下回らず、実際の濃度はこれ以上と考えられます。確定値は希釈率を上げて再測定のうえ、あらためて掲載します。
※「一般的な歯髄由来上清液」は、比較のために同時に測定した他社製品1検体の値です。市販されているすべての製品を代表する値ではありません。
※上記は特定の検体を1回測定した値です。製造ロットや保存状態により変動します。
※HGF濃度が高いことが、特定の症状への効果を示すものではありません。

※これは当院で製造する培養上清液の測定項目です。幹細胞そのものを投与する前の確認は、細胞数・生存率・無菌性・エンドトキシン・マイコプラズマの5項目です。
※特定の成分が多いことが、特定の症状への効果を示すものではありません。成分量と治療成績の関係は、まだ研究の途上にあります。

培養環境を数値で確認しています

培養室の清浄度は、空気中に漂う微粒子の数で表します。当院のCPCはISO-7相当の環境で、実測値は525個/m³でした。ISO-7の基準上限は352,000個/m³ですから、その約1/670にあたります。

測定にはTSI Inc の濃度測定器 9310-02 を使用し、面積41m²の室内14点を作業時に測っています。清浄度は一度測って終わりではなく、管理を続ける対象です。

※清浄度は培養環境の指標であり、治療の効果を示す数値ではありません。

培養について、確認しておきたいこと

培養工程は患者様の目に触れません。「高濃度」「高品質」といった言葉だけでは、中身を判断できないのが実情です。どこを確認すれば比べられるのかを先にお伝えします。当院の場合も併せて記載しました。他院をご検討の際にも、そのままお使いいただける観点です。

確認したいことなぜ確認するのか当院の場合
どこで培養するか搬送の有無で、管理の連続性が変わります。院内CPCFC3230067・搬送なし
培養環境の清浄度「クリーンルーム」という言葉だけでは水準が分かりません。ISO-7相当実測 525個/m³
何を使って培養するか培養液に何が入るかで、体に入るものが変わります。自家血清他の動物に由来する血清は不使用
投与前に何を確認するか項目が決まっていなければ、合否の基準もありません。5項目細胞数・生存率・無菌性・エンドトキシン・マイコプラズマ
細胞が出す成分を測るか成分を測って初めて、製剤ごとの差を記録できます。10項目を測定HGF・VEGF・EGF ほか
届出をしているか再生医療等安全性確保法に基づく届出が必要です。公開していますFC3230067/PB3230270/PB32240141

さらに詳しく

培養施設そのものについて

  • ISO-7クリーンルームの規格と、当院の実測値の読み方
  • 院内CPCと外部委託で、工程がどう変わるか
  • 届出番号の意味と、確認のしかた
院内CPC・品質管理のページを見る ›

当院の再生医療はすべて自由診療(保険適用外)です。効果の現れ方には個人差があり、すべての方に同じ結果をお約束できるものではありません。培養条件や品質管理の体制は、治療の効果を保証するものではありません。

Treatment Flow

採取から投与までの流れ

脂肪を採取してから投与まで、約4〜6週間の培養期間が必要です。初診・診察 → 脂肪採取 → 院内CPCでの培養 → 品質確認 → 投与、という順に進みます。各工程を段階ごとにご説明しながら進めています。

01

初診・診察 (5,500円・税込)

所要時間
約30〜60分(来院またはオンライン)
確認事項
症状・既往歴・服薬・生活習慣・検査結果

治療の適応がないと判断した場合は正直にお伝えします。治療を勧めないこともあります。

初診での診察の様子
02

脂肪採取 (日帰り)

所要時間
約30〜60分
方法
局所麻酔下で腹部から少量の脂肪(約10〜20cc)を採取
確認事項
採取部位・当日の注意点・術後の過ごし方

傷口は数ミリ程度で、当日帰宅可能です。採取後数日間、軽度の腫れ・内出血・違和感が生じることがあります。

脂肪採取の工程
03

院内CPCで培養 (約4〜6週間)

採取した脂肪から幹細胞を分離・培養・増殖させます。この期間の通院は原則不要です。培養状況によっては期間が延びる場合があります。

院内CPCでの培養工程
04

品質確認

培養完了後、細胞の生存率・安全性を確認します。基準を満たさない場合は投与を行いません。

品質確認の様子
05

点滴投与 または 局所注射

所要時間
約60〜90分
確認事項
当日の体調・投与後の注意点・次回診察の説明

投与方法は初診時に医師が判断します。投与後は特別な安静は不要で、当日帰宅可能です。

投与の様子

流れのまとめ

初診で適応を確認し、脂肪採取後に院内CPCで培養・品質確認を行い、点滴投与または局所注射へ進みます。

Risks & Limitations

リスクと限界について

脂肪採取に伴う内出血・腫れ・痛みが、数日から2週間程度残ることがあります。投与時に一時的な発熱や倦怠感が生じる場合もあります。効果には個人差があり、改善が見られないこともあります。また当院の治療は自由診療のため、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。

工程ごとに起こりうること

  • 脂肪採取 採取部位の痛み・腫れ・内出血、まれに感染や麻酔薬へのアレルギー反応
  • 点滴投与 一時的な発熱・倦怠感、血管痛、まれな有害事象
  • 局所注射 注射部位の痛み・腫れ・内出血、関節内注射後の一時的な炎症反応

活動性のがん、免疫疾患の活動期、妊娠中・授乳中、重篤な感染症がある方はお受けいただけません。全身状態や既往歴によって適応外となる場合があります。初診時には、期待できる点だけでなく、期待しにくい点・不確実性・適応外の可能性も医師が直接ご説明します。

リスク・副作用をさらに詳しく

Fees

費用の目安

初回ワンクール(点滴2回)は3,850,000円(税込)です。初診カウンセリング5,500円を含めた総額は3,855,500円になります。内訳は、脂肪採取+細胞培養220,000円、点滴1回目1,980,000円、2回目1,650,000円です。費用は治療前に書面でお示しし、金額にご納得いただけない場合、治療を進める必要はありません。

自由診療に関する重要事項

  • 自由診療である旨 本治療は自由診療(保険適用外)であり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となります。同一日に保険診療と併用することはできません。
  • 法令上の位置づけ 自家脂肪由来幹細胞を用いる本治療は、再生医療等提供計画(PB3230270/PB32240141)のもとで提供しています。医薬品医療機器等法上の承認を受けた医薬品による治療とは異なります。
  • 効果の個人差 効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が期待できる治療ではありません。
料金表と支払方法をすべて見る

FAQ

幹細胞治療に関するよくある質問

患者さまからよくいただくご質問をまとめました。幹細胞治療の回数、痛み、培養期間、副作用、点滴と局所注射の違いなど、初診前に確認したいポイントをご覧いただけます。

Q1

幹細胞治療は何回受ければいいですか?

A

症状・目的によって異なります。1回の投与で変化を感じる方もいれば、複数回を検討する方もいます。初診時に医師と相談して決定します。

Q2

採取手術は痛いですか?

A

局所麻酔を使用するため、採取中の痛みはほとんどありません。採取後に軽度の腫れ・内出血・違和感が数日続く場合があります。

Q3

培養にどのくらいかかりますか?

A

採取後、院内CPCでの培養に約4〜6週間かかります。培養期間中の通院は原則不要です。培養状況によっては期間が変わる場合があります。

Q4

幹細胞はどのように保管されますか?

A

採取した脂肪から取り出した幹細胞を、6株に分けて院内で凍結保管します。各回の投与に合わせて1株を解凍し、院内CPCで培養してから投与します。

Q5

副作用はありますか?

A

自家細胞を使用するため、他家細胞に比べて拒絶反応の懸念は小さいと考えられますが、採取・投与に伴う合併症や有害事象の可能性はあります。気になる症状が出た場合はすぐにご連絡ください。

Q6

入院は必要ですか?

A

脂肪採取・点滴投与・局所注射ともに日帰りが基本です。入院は原則不要です。

Q7

治療後に仕事や運動はできますか?

A

点滴投与・局所注射後は特別な安静は不要で、多くの場合は当日帰宅・翌日以降の通常生活が可能です。脂肪採取後は数日間、激しい運動や採取部位への負荷を避けていただきます。

Q8

点滴と局所注射はどう違いますか?

A

点滴は血流を介して全身に幹細胞を届けるアプローチで、全身的な症状や慢性疾患に用います。局所注射は膝・股関節など患部に直接投与するため、対象部位への局所的な作用が期待されています。両者を組み合わせる場合もあります。適応は初診時に医師が判断します。

Q9

局所注射は痛みが出ますか?

A

注射部位に一時的な痛み・腫れが生じることがあります。関節内注射後に一時的な炎症反応が起こる場合もありますが、通常は短期間で落ち着きます。

Q10

幹細胞治療と培養上清液はどう違いますか?

A

幹細胞治療は幹細胞そのものを投与しますが、培養上清液は幹細胞が産生した成分(成長因子等)を投与するものです。採取手術が不要で始めやすい反面、アプローチの仕組みが異なります。

Q11

効果が出なかった場合はどうなりますか?

A

すべての方に改善が見られるわけではありません。効果が感じられない場合も、追加の費用請求や無理な継続を勧めることはしません。次のステップについては医師と相談して決めます。

Q12

培養にはどんな培養液を使っていますか?

A

細胞を育てるための血清には、患者様ご自身の血液から作製した自家血清を使用しています。細胞培養で一般的に用いられるウシ胎児血清(FBS)など、他の動物に由来する成分は使用していません。培養のために採血をお願いする必要がありますが、ご自身の体から出たものだけで育てる方針を採っています。

Q13

培養した細胞の数や生存率は確認できますか?

A

投与の前に、細胞数・生存率・無菌性・エンドトキシン・マイコプラズマの5項目を確認しています。基準を満たさない場合、その細胞は投与しません。確認した結果については、診察時に医師にお尋ねください。

Q14

幹細胞治療で死亡事故があったと聞きました。危険ではないですか?

A

再生医療は、過去に国内外で健康被害が報告されたことを受けて、2014年から再生医療等安全性確保法のもとで規制されています。現在は、国へ提供計画を届け出た医療機関でなければ実施できません。当院は細胞培養加工施設番号 FC3230067、提供計画番号 PB3230270・PB32240141 を取得し、ホームページ上で公開しています。ただし届出があることと、リスクがないことは別です。起こりうる副作用と限界については、専用のページで包み隠さずご説明しています。

Q15

幹細胞治療は保険適用になりますか?医療費控除は使えますか?

A

当院の幹細胞治療は自由診療のため、健康保険は適用されません。医療費控除については、治療の目的によって扱いが異なり、税務署の判断となります。費用の総額や内訳は料金ページにまとめています。

Q16

培養した細胞が出す成分は測っていますか?

A

当院では、同じ培養工程から得られる培養上清について、HGF・VEGF・EGF・FGF・TGF-β・IGF-1・IL-10・IL-6・TNF-α・エクソソーム関連マーカーの10項目を測定し、製剤ごとの品質確認の記録として残しています。なお幹細胞そのものを投与する前の確認は、細胞数・生存率・無菌性・エンドトキシン・マイコプラズマの5項目です。

Q17

培養上清液のHGF濃度は公開していますか?

A

公開しています。2026年3月14日にELISA(R&D Systems DuoSet DY294)で測定した結果は、当院で使用する胎盤由来が 15,018 pg/mL、歯髄由来が 8,784 pg/mL でした。比較のために同時に測定した一般的な歯髄由来上清液(他社製品1検体)は 5,599 pg/mL、脂肪由来(成人男性20歳の検体)は 4,392 pg/mL です。このうち胎盤由来は標準曲線の上限(希釈2倍で8,000 pg/mL)を超えたため、検量線を延長して算出した値です。延長方法を3通り試しても値を下回らなかったため、実際の濃度はこれ以上と考えられます。いずれも各検体を1回測定した値で、製造ロットにより変動します。HGF濃度が高いことが、特定の症状への効果を示すものではありません。

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このページでは幹細胞治療の仕組みと工程をご説明しました。判断に必要な情報は、それぞれの専用ページにまとめています。

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本ページは、グレイスアースクリニック院長・野口 淳の監修のもと作成しています。
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再生医療等提供計画番号 PB3230270・PB32240141/細胞培養加工施設番号(CPC) FC3230067

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