
- 1種類の働きしかできない
- 分裂回数に限りがある
Stem Cell Therapy
あなた自身の細胞を用いる再生医療を、仕組みから正直に解説します。
幹細胞治療は、患者様ご自身の体内にある「幹細胞」を活用した再生医療です。
薬で症状を抑えるのではなく、細胞レベルから体の修復を促すことを目的としたアプローチとして、国内外で研究・実践が進んでいます。
このページでは、幹細胞治療の仕組み・流れ・費用・リスクと限界まで、医師の立場から正直にお伝えします。「必ず治る」という説明はしません。比較検討の材料としてご活用ください。
Basics
幹細胞とは、自分自身を増やす能力(自己複製能)と、別の種類の細胞に変化する能力(分化能)を持つ細胞です。体内では、傷ついた組織の修復や、細胞の入れ替わりを支える役割を担っています。
骨・筋肉・神経・血管など、体のほぼすべての組織に幹細胞は存在しており、私たちの体を日々修復・再生しています。
しかし、加齢や慢性疾患により、この自己修復力は徐々に低下していくことが研究で示されています。(参考:Lopez-Otin et al., Cell. 2013)
体外で培養・増殖させた幹細胞を体内に戻すことで、低下した修復力をサポートすることを目的とした医療です。


幹細胞が変化できる細胞の例
What is Stem Cell Therapy
幹細胞治療とは、患者自身または他者の幹細胞を体外で培養・増殖させたのちに体内へ投与し、損傷した組織の修復や機能回復を促すことを目的とした再生医療です。
当院が提供するのは「自家幹細胞治療」——患者様ご自身の脂肪組織から採取した脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)を使用する方法です。
他者の細胞を使わないため、一般に他家細胞に比べて拒絶反応の懸念が小さいと考えられています。ただし、採取・投与に伴う合併症や有害事象の可能性はあります(詳細は後述)。
日本では、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)に基づき規制されており、当院は厚生労働省への届出を完了しています(届出番号:FC3230067)。厚生労働省が公開する提供機関情報データベースで確認いただけます。
当院では、症状・部位・目的に応じて点滴投与と局所注射療法を使い分けます。
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幹細胞を静脈から点滴で投与する方法です。血流を介して全身に届けるため、全身的な症状や慢性疾患に対して幅広く用いられます。

膝関節・股関節・肩関節など、症状のある部位に幹細胞を直接投与する方法です。患部への局所的な作用が期待されています。
| 比較項目 | 点滴投与 | 局所注射 |
|---|---|---|
| 投与経路 | 静脈から全身へ | 患部に直接 |
| 主な対象 | 全身症状・慢性疾患 | 関節・局所病変 |
| 作用の経路 | 血流を介して届く | 患部でパラクライン効果 |
| 定着期間 | 短期間が多い | 局所にとどまりやすい傾向 |
| 組み合わせ | 単独または局所と併用 | 単独または点滴と併用 |
| 比較項目 | 幹細胞治療 | 幹細胞培養上清液点滴 | 点鼻・吸入療法 |
|---|---|---|---|
| 使用するもの | 自分の幹細胞 | 幹細胞が産生する成分 | 幹細胞が産生する成分 |
| 採取手術 | 必要 | 不要 | 不要 |
| 培養期間 | 4〜6週間 | 不要 | 不要 |
| 投与方法 | 点滴・局所注射 | 点滴 | 点鼻・吸入 |
| 対象の目安 | 慢性・難治疾患 | 幅広い症状 | 手軽に始めたい方 |
Quality Control
再生医療の治療結果は、使用する幹細胞の状態に大きく左右されます。当院では、以下の4点を品質管理の柱としています。
採取・培養・加工・品質確認・投与のすべてを院内のCPC(細胞培養加工施設)で完結します。外部委託・搬送が発生しないため、細胞の状態を一定に保ちやすい環境を整えています。
冷凍・解凍の過程では細胞の状態が変化する可能性があります。当院では投与時期に合わせて培養を行い、冷凍保存を行わない運用を採用しています。
全工程をSOP(標準作業手順書)と工程記録に基づいて実施し、品質の記録・確認・トレーサビリティを確保しています。
培養に使用する血清も患者様ご自身の血液から作製したものを使用します。外来成分の混入を最小限に抑えることを方針としています。
Treatment Flow
初診・診察から脂肪採取、院内CPCでの培養、品質確認、投与まで、当院では各工程を段階ごとにご説明しながら進めています。
治療の適応がないと判断した場合は正直にお伝えします。治療を勧めないこともあります。
傷口は数ミリ程度で、当日帰宅可能です。採取後数日間、軽度の腫れ・内出血・違和感が生じることがあります。
採取した脂肪から幹細胞を分離・培養・増殖させます。この期間の通院は原則不要です。培養状況によっては期間が延びる場合があります。
培養完了後、細胞の生存率・安全性を確認します。基準を満たさない場合は投与を行いません。
投与方法は初診時に医師が判断します。投与後は特別な安静は不要で、当日帰宅可能です。
初診で適応を確認し、脂肪採取後に院内CPCで培養・品質確認を行い、点滴投与または局所注射へ進みます。
Conditions
以下は、当院に相談が多い症状・疾患の例です。適応の有無は、症状の種類・程度・全身状態を踏まえて初診時に医師が個別に判断します。すべての方に治療を推奨するものではありません。効果には個人差があります。
慢性的な倦怠感や、一般的な治療で改善しにくい不調に対して相談を受けることがあります。
関節痛や変性疾患では、症状の程度や画像所見を踏まえて適応を判断します。点滴・局所注射いずれか、または組み合わせを提案することがあります。
神経疾患や認知機能については、現状と期待できることの両方を正直にお伝えします。
全身状態や既往歴を踏まえながら、適応の可能性を個別に確認します。
実際に治療を行うかどうかは、症状の内容・進行度・全身状態・既往歴を確認したうえで、医師が適応を個別に判断します。
Risks & Limitations
幹細胞治療を検討いただく際に、メリットと同様に知っていただきたいことがあります。
初診時に期待できる点だけでなく、期待しにくい点・不確実性・適応外の可能性も医師が直接説明します。
In-house CPC
CPC(Cell Processing Center:細胞培養加工施設)とは、幹細胞の採取・培養・加工・品質管理を行う専門施設です。
多くのクリニックでは、採取した細胞を外部のCPCに委託して培養します。当院は院内にCPCを設置し、全工程を院内で一貫して完結する体制をとっています。
この運用方針の理由は、品質管理の透明性と細胞の状態を一定に保つことへのこだわりです。
Fees
費用は治療前に書面でお示しします。金額に納得いただけない場合、治療を進める必要はありません。
表示はすべて税込です。投与する細胞数や回数によって総額は変わるため、確定した金額は診察で治療計画とあわせてご案内します。
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| 項目 | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| 初診・診察料 | 5,500円 | 適応の判断と治療計画のご説明を含みます。オンライン診療の場合も同額です。 |
| 脂肪採取+細胞培養 | 220,000円 | 腹部から脂肪を少量採取し、院内CPCで約4〜6週間かけて培養します。 |
| 幹細胞 点滴投与(1回目) | 1,980,000円 | 培養した幹細胞を点滴で投与します。 |
| 幹細胞 点滴投与(2回目以降) | 1,650,000円 | 2回目以降の投与1回あたりの費用です。採取・培養は再度必要になる場合があります。 |
本治療は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となります。同一日に保険診療と併用することはできません。
自家脂肪由来幹細胞を用いる本治療は、再生医療等安全性確保法にもとづく届出(届出番号:FC3230067)および再生医療等提供計画(PB3230270/PB32240141)のもとで提供しています。医薬品医療機器等法上の承認を受けた医薬品による治療とは異なります。
効果の現れ方には個人差があり、すべての方に同じ結果が生じるものではありません。変化を感じられない場合もあります。当院では「必ず治る」「確実に改善する」といった説明は行いません。
脂肪採取に伴う内出血・腫れ・痛み・まれに感染、点滴に伴う穿刺部の痛み、投与後の発熱・倦怠感、アレルギー反応などが起こり得ます。詳しくはページ内「リスク・副作用について」をご確認ください。
現金・クレジットカード(JCB/American Express/Diners Club/Discover/VISA/Mastercard/銀聯)に対応しています。分割払いをご希望の場合は初診時にご相談ください。
再生医療の費用は医療費控除の対象となる場合があります。適用の可否は個別の事情によりますので、詳細は税務署またはお近くの税理士にご確認ください。領収書は治療ごとに発行します。
※ 本項は、医療広告ガイドラインにおいて自由診療について記載が求められている事項です。ご不明な点は診察時にご質問ください。
FAQ
患者さまからよくいただくご質問をまとめました。幹細胞治療の回数、痛み、培養期間、副作用、点滴と局所注射の違いなど、初診前に確認したいポイントをご覧いただけます。
症状・目的によって異なります。1回の投与で変化を感じる方もいれば、複数回を検討する方もいます。初診時に医師と相談して決定します。
局所麻酔を使用するため、採取中の痛みはほとんどありません。採取後に軽度の腫れ・内出血・違和感が数日続く場合があります。
採取後、院内CPCでの培養に約4〜6週間かかります。培養期間中の通院は原則不要です。培養状況によっては期間が変わる場合があります。
冷凍・解凍の過程では細胞の状態が変化する可能性があります。当院では投与時期に合わせて培養することで、冷凍保存を行わない運用を採用しています。
自家細胞を使用するため、他家細胞に比べて拒絶反応の懸念は小さいと考えられますが、採取・投与に伴う合併症や有害事象の可能性はあります。気になる症状が出た場合はすぐにご連絡ください。
脂肪採取・点滴投与・局所注射ともに日帰りが基本です。入院は原則不要です。
点滴投与・局所注射後は特別な安静は不要で、多くの場合は当日帰宅・翌日以降の通常生活が可能です。脂肪採取後は数日間、激しい運動や採取部位への負荷を避けていただきます。
点滴は血流を介して全身に幹細胞を届けるアプローチで、全身的な症状や慢性疾患に用います。局所注射は膝・股関節など患部に直接投与するため、対象部位への局所的な作用が期待されています。両者を組み合わせる場合もあります。適応は初診時に医師が判断します。
注射部位に一時的な痛み・腫れが生じることがあります。関節内注射後に一時的な炎症反応が起こる場合もありますが、通常は短期間で落ち着きます。
幹細胞治療は幹細胞そのものを投与しますが、培養上清液は幹細胞が産生した成分(成長因子等)を投与するものです。採取手術が不要で始めやすい反面、アプローチの仕組みが異なります。
すべての方に改善が見られるわけではありません。効果が感じられない場合も、追加の費用請求や無理な継続を勧めることはしません。次のステップについては医師と相談して決めます。
How to Choose
幹細胞治療を受ける医療機関を選ぶ際は、費用だけでなく、届出の有無・培養体制・品質管理・リスク説明まで確認することが重要です。以下は、初診前に確認をおすすめする代表的なポイントです。
厚生労働省の公表データベースで確認できます。まず法令に基づく届出の有無を確認してください。
細胞の培養・加工を院内で完結するのか、外部CPCへ委託するのかで、品質管理の体制や工程の見え方が変わります。
自家血清を使うのか、外来成分を含むのかによって、治療方針や考え方が異なります。事前の確認が重要です。
冷凍保存の有無だけでなく、なぜその運用を採用しているのかを説明できるかを確認してください。
投与細胞数、培養費用、採取費用、追加費用の有無など、初診前または初診時に明確に説明されるかが大切です。
メリットだけでなく、副作用、合併症、効果の限界、向いていないケースまで説明してくれるかを確認してください。
Contact
幹細胞治療が自分に合うかどうかは、話してみないとわかりません。来院前のご相談も歓迎しています。お気軽にご連絡ください。
本ページは、グレイスアースクリニック院長・野口 淳の監修のもと作成しています。
医療法人社団慧愛会 グレイスアースクリニック/〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-35-3 toDOe代々木7階/TEL 03-6381-6361
再生医療等安全性確保法にもとづく届出番号 FC3230067/再生医療等提供計画 PB3230270・PB32240141
動画で解説しています
当院院長と培養士が対談形式で解説しています。文字で読むより早い場合は、こちらをご覧ください。
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