幹細胞を「修理工場」にたとえるなら、培養上清液は、工場が出す「修復環境を整えるための指示書」のようなものです。
修理工場幹細胞
指示書培養上清液
Conditioned Medium
成分・品質・投与方法まで、医師が正直に解説します。
幹細胞培養上清液は、幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養した際に分泌される成長因子・サイトカイン・エクソソームなどの生理活性物質を含む上清を活用する治療です。
採取手術を伴わず、点滴・点鼻・吸入などの方法で投与できることから、低侵襲な選択肢として相談されることがあります。
一方で、疾患の治癒や改善を保証するものではなく、有効性・安全性については現在も研究が進められている分野です。
当院では、自院製剤の成分測定・品質確認・工程管理を行い、医師が症状や目的に応じて投与方法を判断しています。
幹細胞培養上清液とは、幹細胞を培養した際に培地中へ分泌される成長因子・サイトカイン・細胞外小胞などを含む上清を回収・精製したものです。
幹細胞そのものを投与する幹細胞治療とは異なり、採取手術を伴わずに、点滴・点鼻・吸入などで投与されます。
ただし、疾患の治癒や改善を保証する治療ではなく、標準治療の代替ではありません。
幹細胞の分泌物を
活用した治療
採取手術を伴わず
低侵襲
複数の投与方法
品質確認と
工程管理を重視
What is it
幹細胞培養上清液とは、幹細胞を培養した際に、培地中へ分泌・放出される成分を含む上清を回収・精製したものです。幹細胞そのものを体内へ投与するのではなく、幹細胞が分泌した成長因子・サイトカイン・細胞外小胞などの情報伝達成分を届けることを目的としています。
幹細胞を「修理工場」にたとえるなら、培養上清液は、工場が出す「修復環境を整えるための指示書」のようなものです。
修理工場幹細胞
指示書培養上清液
幹細胞治療が細胞そのものを投与するのに対し、幹細胞培養上清液は、細胞が分泌した成分を活用する点が異なります。
採取手術が不要で始めやすい反面、アプローチの仕組みが異なることを理解したうえで検討することが重要です。

厳選した幹細胞を、専用の培養環境で増殖・培養します。

幹細胞が多様な生理活性成分を培地中に分泌・放出します。

培養後の上清、つまり細胞を含まない液体部分を慎重に回収します。

不純物を取り除き、必要な成分を高濃度に濃縮します。

無菌試験やエンドトキシン試験など、必要な品質検査を実施します。

基準を満たした製剤として、目的に応じた投与方法で使用します。
※製造工程や品質管理は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律および関連ガイドラインに基づき実施しています。
Components
幹細胞培養上清液には、幹細胞が培養中に分泌する複数の生理活性物質が含まれます。代表的なものには、成長因子・サイトカイン・ケモカイン・エクソソームを含む細胞外小胞・タンパク質・脂質・核酸関連物質などがあります。
これらは細胞間の情報伝達や、炎症反応・組織修復環境の調整に関わる可能性が研究されています。ただし、含まれる成分の種類や濃度は、細胞の由来・培養条件・製造工程・精製方法・品質管理体制によって異なります。
| 成分 | 概要 | 研究されている主な役割 |
|---|---|---|
| 成長因子 | 細胞の増殖・分化・修復環境に関わるタンパク質 | 組織修復・血管新生・細胞保護など |
| サイトカイン | 免疫細胞や組織細胞の情報伝達に関わるタンパク質 | 炎症反応や免疫バランスの調整 |
| ケモカイン | 細胞の移動や集積に関わるシグナル分子 | 修復細胞の誘導・炎症環境の調整 |
| エクソソーム・細胞外小胞 | 細胞が放出する微小な小胞 | miRNA・タンパク質などの運搬・細胞間コミュニケーション |
| タンパク質・脂質 | 細胞活動や情報伝達に関わる分子群 | 細胞環境の維持・修復反応の補助 |
| 核酸関連物質 | miRNAなどを含む可能性がある情報分子 | 細胞機能の調整に関与する可能性 |
上記は一般的に幹細胞培養上清液に含まれる可能性がある成分であり、すべての製剤に同じ種類・濃度で含まれることを意味するものではありません。
当院では、自院製剤ごとに成分測定と品質確認を行い、医師が治療方針を判断しています。
Measurement
幹細胞培養上清液は、単に「高濃度」や「高品質」と表現するだけでは、実際の内容を判断しにくい治療です。当院では、自院で製造・管理する培養上清液について、代表的な成長因子やサイトカイン等の成分測定を行い、製剤ごとの品質確認に役立てています。
測定値は治療効果を保証するものではありませんが、製造工程の安定性や品質確認のために重要な情報と考えています。

実際に何が入っているかわかりにくく、比較や判断が難しい場合があります。

成分を測定して確認することで、見えない部分の品質管理を可視化します。
| 測定項目 | 分類 | 一般的に研究されている役割 |
|---|---|---|
| HGF | 成長因子 | 組織修復・抗炎症・細胞保護に関する研究 |
| VEGF | 成長因子 | 血管新生・組織修復環境への関与 |
| EGF | 成長因子 | 皮膚・粘膜など上皮組織の修復に関する研究 |
| FGF | 成長因子 | 線維芽細胞・組織修復・細胞増殖への関与 |
| TGF-β | 成長因子・サイトカイン | 細胞分化・免疫調整・線維化との関係 |
| IGF-1 | 成長因子 | 細胞成長・代謝・組織修復への関与 |
| IL-10 | サイトカイン | 抗炎症性サイトカインとしての研究 |
| IL-6 | サイトカイン | 炎症反応・免疫応答に関わる指標 |
| TNF-α | サイトカイン | 炎症反応に関わる指標 |
| エクソソーム関連マーカー | 細胞外小胞 | 細胞外小胞の確認・評価に関する指標 |
これらの測定項目は、製剤の特徴や品質を把握するための指標です。特定の成分量が多いことだけで、特定の疾患への効果を保証するものではありません。
幹細胞培養上清液の品質は、成分量だけでなく、細胞の由来・培養条件・精製工程・無菌性確認・保管方法・投与時の管理を含めて総合的に判断する必要があります。
vs Exosome
幹細胞培養上清液とエクソソームは同じものではありません。幹細胞培養上清液は、幹細胞を培養した際に得られる上清であり、成長因子・サイトカイン・タンパク質・脂質・細胞外小胞など、複数の成分を含む可能性があります。
一方、エクソソームは細胞外小胞の一種であり、培養上清液に含まれる成分の一部として説明されます。つまり、培養上清液は「複数の成分を含む液体」、エクソソームはその中に含まれる可能性がある「細胞間コミュニケーションに関わる小胞」です。
| 比較項目 | 幹細胞培養上清液 | エクソソーム |
|---|---|---|
| 定義 | 幹細胞培養後の上清を回収・精製したもの | 細胞が放出する細胞外小胞の一種 |
| 含まれるもの | 成長因子・サイトカイン・タンパク質・細胞外小胞など | miRNA・タンパク質・脂質など |
| 位置づけ | 複数成分を含む製剤 | 培養上清液中の成分の一部 |
| 注意点 | 製造工程・品質管理で内容が変わる | 単独で効果を保証するものではない |
当院では、エクソソームという単一成分だけを強調するのではなく、製造工程・成分測定・品質確認・投与目的を含めて、医師が総合的に判断することを重視しています。
なお、日本再生医療学会は「細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンス」において、細胞外小胞等を用いる医療について、安全性・有効性への慎重な検討と製造工程・品質管理の確認が重要であることを示しています。
vs Stem Cell Therapy
幹細胞培養上清液は、幹細胞治療の「簡易版」ではありません。細胞そのものではなく、細胞が分泌する情報伝達成分を活用する、別の設計思想の治療です。

患者様ご自身の脂肪から採取した自家幹細胞を院内CPCで培養し、点滴または局所注射で投与します。

幹細胞が分泌した成長因子・サイトカイン・エクソソームなどを含む上清を活用し、点滴・点鼻・吸入などで投与します。
| 比較項目 | 幹細胞治療 | 幹細胞培養上清液 |
|---|---|---|
| 投与するもの | 幹細胞そのもの | 幹細胞が分泌した成分 |
| 採取手術 | 必要(脂肪採取) | 不要 |
| 培養期間 | 約4〜6週間 | 原則不要 |
| 自家・他家 | 自家細胞 | 製剤の由来により異なる |
| 投与方法 | 点滴・局所注射 | 点滴・点鼻・吸入 |
| 在宅継続 | 不可 | 点鼻・吸入は可能 |
| 費用目安 | 220万円〜 | 55,000円〜1バイアル |
どちらが適しているかは、症状・目的・全身状態・費用・希望する治療の侵襲度によって異なります。両者を組み合わせる場合もあります。
Administration
幹細胞培養上清液は、目的やライフスタイルに合わせて、点滴・点鼻・吸入など複数の方法で投与を検討します。どの方法が適しているかは、症状・既往歴・使用目的をもとに医師が判断します。
| 比較項目 | 点滴 | 点鼻 | 吸入 |
|---|---|---|---|
| 投与経路 | 静脈 | 鼻腔 | 気道・肺 |
| 主な目的 | 全身への アプローチ | 鼻腔・神経系への アプローチを検討 | 呼吸器系への アプローチを検討 |
| 所要時間 | 約30〜60分 | 数分 | 数分〜 |
| 通院 | 必要 | 自宅継続も可能 | 自宅継続も可能 |
| 向いている相談 | 慢性疲労・全身不調 | 嗅覚・頭部の不調 | 呼吸器・息切れ |
点鼻・吸入は、特定の疾患改善を保証するものではありません。点鼻については、鼻腔から中枢神経系へ物質が移行する可能性が研究されていますが、特定の疾患改善を保証するものではありません。
症状・既往歴・使用目的に応じて、医師が適応を判断します。
Quality Control
当院では、幹細胞培養上清液を「何が入っているかわからない液体」として扱うのではなく、製造工程・成分測定・品質確認を行った自院製剤として管理しています。製剤の品質は、成分量だけでなく、製造工程の安定性・無菌性・保管条件・投与時の管理まで含めて総合的に判断する必要があります。
なお、当院では再生医療等安全性確保法に基づく提供体制を整備し、届出済みの再生医療等提供計画のもとで幹細胞治療を行っています(届出番号:FC3230067)。幹細胞培養上清液についても、院内CPCでの製造・品質確認・工程管理を重視し、医師の判断のもと自由診療として提供しています。

院内CPCで製造します。

各種検査・成分測定を実施します。

適正な温度で保管・管理します。

医師の判断のもとで提供します。
| 管理項目 | 内容 |
|---|---|
| 製造ロット管理 | 製剤ごとの製造記録を管理 |
| 成分測定 | 代表的な成長因子・サイトカイン等を測定 |
| 無菌性確認 | 微生物汚染の有無を確認 |
| エンドトキシン確認 | 発熱性物質に関する確認 |
| マイコプラズマ確認 | 細胞培養で重要な汚染リスクを確認 |
| 保管温度管理 | 製剤の保管条件を管理 |
| 投与記録 | 投与日・投与量・ロット情報を記録 |
| SOP管理 | 標準作業手順書に基づく工程管理 |
幹細胞培養上清液・エクソソーム等を用いた医療は、有効性・安全性に関して現在も研究が進められている分野です。国内で薬事承認された医薬品として提供するものではありません。当院では、医師の判断のもと自由診療として提供しています。
Before You Decide
当院では、治療の良い面だけでなく、期待しにくい点・不確実な点・治療をおすすめしない可能性についても、初診時に医師が説明します。
Consultation Themes
以下は、幹細胞培養上清液について当院にご相談いただくことが多い症状・目的の例です。治療効果を保証するものではなく、標準治療の代替として推奨するものでもありません。現在受けている保険診療や専門治療を継続したうえで、補完的な選択肢として検討される場合があります。
慢性的な倦怠感や、原因がはっきりしない全身不調について相談を受けることがあります。
倦怠感やブレインフォグ、息切れなど、コロナ後遺症に関連する不調について相談を受けることがあります。
認知機能への不安や、しびれ・慢性疼痛などについて、現在の治療状況を踏まえて相談を受けることがあります。
慢性的な炎症感や、体調の波、免疫バランスに関する不安について相談されることがあります。
関節痛や腰痛、しびれなどについて、現在の治療を継続しながら補完的な選択肢として相談されることがあります。
現在の保険診療や専門治療を継続したうえで、糖尿病や肝疾患などについて相談されることがあります。
症状・既往歴・現在の治療状況・使用目的に応じて、医師が適応を個別に判断します。まずはご希望やご不安をお聞かせください。
Suitability
幹細胞培養上清液は、すべての方に一律でおすすめできる治療ではありません。症状・目的・既往歴・現在の治療状況を確認したうえで、医師が適応を判断します。
医学的に適応が乏しいと判断した場合や、標準治療を中断して本治療のみを希望される場合には、治療をおすすめしないことがあります。
Risks & Limitations
幹細胞培養上清液は、すべての方に同じ結果が期待できる治療ではありません。効果には個人差があり、変化を感じにくい場合もあります。また、有効性・安全性については現在も研究が進められており、長期的なデータが十分とはいえない面もあります。
気になる症状が出た場合は、すぐにご連絡ください。当院では、投与方法・体質・既往歴を確認したうえで、医師がリスクや注意点を事前に説明します。
Price
幹細胞培養上清液はすべて自由診療(保険適用外)です。投与量・バイアル数・方法により費用が異なります。初診時に事前に明示します。
診察・カウンセリング
1バイアル〜
点滴のために来院した場合のみ
1バイアル
1バイアル
約30分
※投与量・バイアル数・頻度は症状・目的・全身状態により異なります。初診時に医師が説明し、無理に治療をすすめることはありません。費用だけで治療内容を決めるのではなく、適応・投与方法・頻度・リスクを含めて医師が確認します。
本治療で用いる幹細胞培養上清液は、医薬品医療機器等法上の承認を受けた医薬品ではありません。
当院の院内CPC(細胞培養加工施設)において製造した自院製剤を使用しています。医師の個人輸入によるものではありません。
本治療と同一の成分・目的で国内において承認された医薬品はありません。
諸外国においても、本治療と同一の内容で承認された医薬品はありません。重大な健康被害が報告されている旨の情報は、当院として把握していません。
本治療は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となります。同一日に保険診療と併用することはできません。
効果の現れ方には個人差があり、すべての方に同じ結果が生じるものではありません。変化を感じられない場合もあります。
※ 本項は、医療広告ガイドラインにおいて、自由診療かつ未承認医薬品等を用いる治療について記載が求められている事項です。ご不明な点は診察時にご質問ください。
FAQ
幹細胞培養上清液について、初診前によくいただく質問をまとめました。治療の適応や投与方法は、症状・目的・全身状態をもとに医師が個別に判断します。
幹細胞を培養した際に分泌される成長因子・サイトカイン・細胞外小胞などを含む上清を回収・精製したものです。幹細胞そのものを投与する治療ではありません。
一般に、成長因子・サイトカイン・ケモカイン・細胞外小胞・タンパク質・脂質・核酸関連物質などが含まれる可能性があります。当院では自院製剤の成分測定を行っています。
いいえ。成分測定は製剤の特徴や品質を確認するための情報であり、特定の効果を保証するものではありません。
はい。エクソソームは細胞外小胞の一種です。幹細胞培養上清液は、エクソソームを含む可能性がある複数成分の上清です。同じものではありません。
幹細胞治療は幹細胞そのものを投与します。幹細胞培養上清液は、幹細胞が分泌した成分を含む上清を使用します。採取手術の有無や費用の目安も異なります。
幹細胞培養上清液では、患者様ご自身の脂肪採取などの手術は通常不要です。適応があり医師が安全に実施可能と判断した場合には、初診後に投与日程をご案内できます。
目的・症状・生活スタイル・全身状態に応じて医師が判断します。組み合わせて検討する場合もあります。
点滴では血管痛・内出血・一時的な倦怠感、点鼻では鼻腔の刺激感、吸入では喉や気道の違和感などが起こる可能性があります。体質や基礎疾患によってリスクは異なります。気になる症状が出た場合はすぐにご連絡ください。
効果には個人差があり、時期や程度を保証することはできません。治療継続の可否も経過を見ながら判断します。
自由診療のため、保険適用はありません。費用は初診時に事前にご説明します。
症状相談や治療方針の確認はオンライン診療(5,500円・税込)で可能です。投与方法によっては来院が必要です。
はい。医師が適応外と判断した場合や、標準治療を中断して本治療のみを希望される場合は、おすすめしないことがあります。
Supervisor
本ページは、幹細胞培養上清液に関する医療情報を、医師監修のもとで整理しています。治療の適応や可否については、診察時に医師が個別に判断します。
Medical Supervisor
グレイスアースクリニック 院長
本ページの内容は医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応・可否については必ず医師にご相談ください。
Contact
幹細胞培養上清液が自分に合うかどうかは、話してみないとわかりません。来院前のご相談も歓迎しています。お気軽にご連絡ください。
動画で解説しています
当院院長と培養士が対談形式で解説しています。文字で読むより早い場合は、こちらをご覧ください。
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