
Local Injection
「幹細胞の注射はいくらですか」。膝や肩の痛みでご相談いただく方から、よくいただく質問です。
ただ、その前に整理しておきたいことがあります。幹細胞治療には点滴と局所注射の2つがあり、費用の考え方が違います。この記事では、局所注射とは何か、点滴と何が違うのか、費用は何で決まるのかを、医師監修のもとでご説明します。
幹細胞の局所注射とは何ですか
幹細胞の局所注射とは、培養した幹細胞を、痛みのある関節などへ直接注射する方法です。点滴で全身に届けるのではなく、届けたい場所へ直接入れます。
使う細胞は点滴と同じで、ご自身の脂肪から採取して院内CPCで培養した自家培養幹細胞です。採取から投与までの流れも点滴と変わりません。脂肪を採取し、約4〜6週間かけて培養し、品質を確認してから投与します。
違うのは、最後の投与方法だけです。関節注射、関節内注射と呼ばれることもあります。
点滴と局所注射はどう違いますか
点滴は全身へ、局所注射は特定の部位へ届けることを目的とします。どちらが優れているというものではなく、何に困っているかで選び分けます。
| 比較項目 | 点滴 | 局所注射 |
|---|---|---|
| 届ける先 | 血流にのせて全身へ | 関節などの特定の部位へ |
| 主に検討される相談 | 慢性疲労・全身の倦怠感・エイジングケア | 膝・肩・腰など、部位がはっきりしている痛み |
| 脂肪の採取 | 必要 | 必要 |
| 培養期間 | 約4〜6週間 | 約4〜6週間 |
| 費用の考え方 | ワンクール(点滴2回)で3,850,000円 | 1回の培養と投与ごと |

「部位がはっきりしているかどうか」が、いちばん分かりやすい分かれ目です。膝だけが痛い方に全身の点滴を提案する必然性は高くありませんし、全身の倦怠感に膝への注射をしても届きません。
どのような症状で検討されますか
当院では、変形性関節症について再生医療等提供計画を届け出ています。関節の痛みや変性疾患で、部位が特定できている場合にご相談いただくことがあります。
- 変形性膝関節症
- 変形性股関節症
- 五十肩(肩関節周囲炎)
- 慢性腰痛・脊柱管狭窄症
ただし、すべての方に適応があるわけではありません。症状の種類・程度・画像所見・全身状態を確認したうえで、医師が個別に判断します。進行の程度によっては、手術など他の治療のほうが適していることもあります。
※参考:厚生労働省「再生医療について」。再生医療等の提供には、再生医療等安全性確保法にもとづく提供計画の届出が必要です。
ヒアルロン酸やPRPの注射とは違いますか
入れているものが違います。同じ「関節への注射」でも、中身も位置づけも別のものです。
| 比較項目 | ヒアルロン酸 | PRP | 幹細胞の局所注射 |
|---|---|---|---|
| 入れるもの | 関節の潤滑成分 | ご自身の血液から取り出した多血小板血漿 | ご自身の脂肪から培養した幹細胞 |
| 保険 | 適用あり | 自由診療 | 自由診療 |
| 事前の準備 | 不要 | 採血のみ | 脂肪採取+約4〜6週間の培養 |
| 費用の目安 | 保険の自己負担分 | 医療機関による | 診察でご案内します |
ヒアルロン酸は保険が使えます。まだ試していない場合、そちらが先です。当院でも、標準的な治療を先にご案内することがあります。順番を飛ばして自由診療をおすすめすることはありません。
費用は何で決まりますか
1回の培養と投与に対して費用が決まります。投与する部位の数や細胞数によって金額が変わるものではありません。

ここは誤解されやすいところです。「膝の両方だと2倍になりますか」「細胞をたくさん入れると高くなりますか」というご質問をいただきますが、当院の考え方はそうではありません。1回の培養と、その投与に対してお支払いいただく形です。
局所注射の費用は、1回 1,650,000円(税込)です。初診・脂肪採取・培養を含んだ金額で、ここから追加で培養費用をいただくことはありません。
症状と治療計画によって内容が変わるため、確定した金額は初診で診察したうえで書面にてご提示します。金額にご納得いただけない場合、治療を進める必要はありません。ご説明の前に費用が発生することもありません。
点滴の場合は初回ワンクール(点滴2回)で3,850,000円(税込)、初診料5,500円を含めた総額は3,855,500円です。局所注射は「ワンクール」という考え方をとらず、1回ずつのご案内になります。
いずれも自由診療(保険適用外)で、費用は全額自己負担です。同一日に保険診療と併用することはできません。
何回受ける必要がありますか
局所注射は、1回ずつのご案内です。点滴のように「2回でワンクール」という形ではありません。
1回受けていただき、経過を確認したうえで、次を検討するかどうかを一緒に判断します。最初に複数回分をまとめてお申し込みいただく必要はありません。
効果には個人差があり、変化を感じられない場合もあります。回数を重ねれば必ず変化するというものでもないため、経過を見ながら継続の要否を相談していただきます。現時点で確かめられている範囲には限界があり、標準治療の代替ではなく、補完的な選択肢として検討するものです。
点滴と組み合わせることはできますか
できます。局所注射と点滴を併用される方もいらっしゃいます。
ただし、それぞれ別の同意書が必要で、脂肪の採取も別に行います。同じ採取分を分けて使うのではなく、それぞれのために準備します。この点は初診で必ずご説明します。
膝の痛みがあり、同時に全身の倦怠感も強い、といった場合に検討されることがあります。組み合わせるかどうかは、症状と優先順位を確認したうえで医師が判断します。
リスクと、受けられない方
関節への注射には、注射そのものに伴うリスクがあります。脂肪採取のリスクは点滴と共通です。
- 注射部位 痛み・腫れ・内出血。関節内注射後の一時的な炎症反応
- まれに 感染、血管や神経への影響
- 脂肪採取 採取部位の痛み・腫れ・内出血(2週間程度残ることがあります)、まれに感染や麻酔薬へのアレルギー反応
活動性のがん・悪性腫瘍がある方、免疫疾患が活動期にある方、妊娠中・授乳中の方、重篤な感染症がある方はお受けいただけません。全身状態や基礎疾患によっては適応外となる場合があります。
また、自由診療で行うため医薬品副作用被害救済制度の対象外です。投与した幹細胞の長期生着は例外的であり、効果の持続期間には個人差があります。
※参考:医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品副作用被害救済制度」
参考にした公的情報
- 厚生労働省「再生医療について」再生医療等安全性確保法の概要と、提供計画の届出制度。
- e-Gov 法令検索「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」法律の条文。届出制度の位置づけを確認できます。
- PMDA「医薬品副作用被害救済制度」自由診療が対象外である根拠。
- 厚生労働省「医療広告ガイドライン」自由診療に関する記載事項の根拠。
よくあるご質問
幹細胞の注射の費用はいくらですか?
幹細胞の局所注射と点滴はどちらがよいですか?
両膝に打つと費用は2倍になりますか?
幹細胞の注射は何回受ける必要がありますか?
ヒアルロン酸注射との違いは何ですか?
幹細胞の注射に副作用はありますか?
点滴と局所注射は同時に受けられますか?
部位が決まっている方は、まずご相談ください
初診(5,500円・税込)でお伝えするのは、適応の有無・期待できること・できないこと・確定した総額の4点です。
まだ保険で試せる治療がある場合は、そちらを先におすすめします。
医学的に適応が乏しいと判断した場合は、治療をおすすめしないこともあります。
ご希望の日時は選択式で、第2希望までお選びいただけます。お申し込みのあとで、その場で治療をお決めいただく必要はありません。
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最終確認日:2026-08-30