
Disadvantages of Stem Cell Therapy
「幹細胞治療のデメリットは何ですか」。初診でいちばん多くいただくご質問です。
良い面だけを並べた説明では、判断できません。この記事では、当院が初診で必ずお伝えしている6つのデメリットを、医師監修のもとで先にまとめます。
幹細胞治療のデメリットは何ですか
幹細胞治療のデメリットとは、費用・確実性・時間・身体的負担・制度・医療機関の品質差という6つの負担のことです。いずれも治療を受ける前に確認できるもので、受けてから判明する種類のものではありません。
当院は初診で、期待できることと同じ分量で、この6つをご説明しています。良い面だけを聞いて決めた方は、あとで「そんな話は聞いていない」となりやすいためです。
- 費用
- 初回ワンクール 3,850,000円(税込)。自由診療のため保険適用外です
- 確実性
- 効果には個人差があり、変化を感じられない場合があります
- 時間
- 脂肪採取から投与まで、培養に約4〜6週間かかります
- 身体的負担
- 局所麻酔下で腹部から脂肪を採取します。内出血が2週間程度残ることがあります
- 制度
- 医薬品副作用被害救済制度の対象外です
- 品質差
- 培養する施設や工程は医療機関ごとに異なり、外からは見えにくい部分です

以下、ひとつずつご説明します。
デメリット1 費用が高く、保険が使えません
幹細胞治療は自由診療(保険適用外)で、費用は全額自己負担です。当院の場合、初回ワンクール(点滴2回)で3,850,000円(税込)、初診料5,500円を含めた総額は3,855,500円になります。
内訳は、脂肪採取+細胞培養が220,000円、点滴1回目が1,980,000円、2回目が1,650,000円です。同一日に保険診療と併用することもできません。
高額療養費制度も使えません。医療費控除の対象になる可能性はありますが、これは税金が一部戻る仕組みであって、費用が下がるわけではありません。
※参考:国税庁「医療費控除の対象となる医療費」。対象になるかは個別の判断となるため、税務署または税理士へご確認ください。
なぜこの金額になるのかは、培養にかかる期間・設備・人手の内訳から別記事で説明しています。金額そのものへの納得は、内訳を知ってからのほうが得られやすいと考えています。
デメリット2 効果には個人差があり、保証できません
幹細胞治療は、すべての方に同じ結果が期待できる治療ではありません。効果には個人差があり、変化を感じられない場合もあります。
これは説明を控えめにしているのではなく、現時点で確かめられている範囲に限界があるということです。長期的な有効性・安全性については、現在も研究が続いています。当院がご説明できるのは、その限界の内側までです。
また、保険診療の代替ではありません。現在受けている治療を中断して本治療のみを希望される場合、当院はおすすめしないことがあります。
「必ず良くなる」「治る」といった説明をする医療機関があれば、その根拠をお尋ねになることをおすすめします。医療広告ガイドラインでも、効果を保証する表現は認められていません。
※参考:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院等に関する広告等に関する指針」
デメリット3 治療開始まで4〜6週間かかります
幹細胞治療は、脂肪を採取したその日に投与できる治療ではありません。採取した細胞を院内CPCで培養する期間として、約4〜6週間が必要です。
流れは、初診・診察 → 脂肪採取 → 培養 → 品質確認 → 投与、という順になります。2回目の投与は1回目から1〜2か月後(3か月以内)が目安です。
つまり、相談してから2回目の投与が終わるまでに、数か月単位の時間がかかります。「来月の大事な予定に間に合わせたい」といったご希望には沿えません。
すぐに始めたい場合は、細胞の採取と培養を伴わない幹細胞培養上清液という選択肢もあります。仕組みが異なる別の治療ですので、違いを理解したうえでご検討ください。
デメリット4 脂肪を採取する負担があります
自家培養幹細胞を用いる幹細胞治療では、ご自身の脂肪を採取する処置が必要です。局所麻酔下で腹部から約10〜20ccを採取し、所要時間は30〜60分、日帰りで行います。
傷口は数ミリ程度ですが、採取後は次のようなことが起こりえます。
- 採取部位の痛み・腫れ・内出血(2週間程度残ることがあります)
- まれに感染・創部のトラブル
- 局所麻酔薬に対するアレルギー反応の可能性
入浴は3日後から、テープは3日間、抜糸は不要(溶ける糸を使用)です。仕事の制限はありませんが、ゴルフなど身体をひねる運動は内出血が広がる恐れがあるため、経過を見てご相談ください。
点滴投与では一時的な発熱・倦怠感・血管痛、局所注射では注射部位の痛み・腫れ・関節内の一時的な炎症反応が起こることがあります。
デメリット5 副作用の救済制度が使えません
自由診療で行う幹細胞治療は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。この制度は、承認された医薬品を適正に使用したにもかかわらず健康被害が生じた場合に給付を行う公的な仕組みで、自由診療の再生医療には適用されません。
※参考:医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品副作用被害救済制度」
これは当院に限った話ではなく、自由診療として提供される再生医療に共通する制度上の位置づけです。説明していない医療機関があるとすれば、それは制度が違うのではなく、説明していないだけです。
デメリット6 医療機関によって品質に差があります
幹細胞治療の品質は、細胞をどこで、どのように培養するかで変わります。そしてこの部分は、受ける側からいちばん見えにくいところです。
多くのクリニックでは、採取した細胞を外部の細胞培養加工施設(CPC)へ委託して培養します。委託そのものが問題なのではなく、どこに委託し、どんな工程で、どんな確認を経ているのかが説明されるかどうかが分かれ目です。
| 確認したいこと | なぜ重要か |
|---|---|
| 届出番号が公開されているか | 再生医療等安全性確保法にもとづく届出の有無は、厚生労働省の公表データベースで確認できます |
| 院内CPCか、外部委託か | 工程の見え方と、品質管理の責任の所在が変わります |
| 培養に使う血清の由来 | ご自身の血清を使うか、外来成分を含むかで考え方が異なります |
| 細胞の保管方法とその理由 | どこで、どう保管し、いつ培養するのかを説明できるかどうか |
| 費用の内訳が事前に示されるか | 採取費・培養費・追加費用の有無が初診前後に明確か |
| 適応外のケースも説明されるか | 受けられない方について説明があるかどうか |

※参考:厚生労働省「再生医療について」。再生医療等提供機関の届出状況は公開されています。
当院の場合は、届出番号 FC3230067 を公開し、培養・加工は院内のCPCで行い、培養には患者さまご自身の血清を用いています。採取した幹細胞は6株に分けて院内で保管し、投与ごとに培養しています。
再生医療のデメリットと幹細胞治療のデメリットは違いますか
再生医療は幹細胞治療を含む広い呼び方で、デメリットの範囲も異なります。「再生医療のデメリット」を調べている場合、対象がどの治療かによって答えが変わります。
| 比較項目 | 幹細胞治療 | 幹細胞培養上清液 |
|---|---|---|
| 投与するもの | 幹細胞そのもの | 幹細胞が分泌した成分 |
| 採取の負担 | あり(脂肪採取) | なし |
| 待ち時間 | 約4〜6週間 | 原則なし |
| 費用の目安 | 3,850,000円〜(ワンクール) | 55,000円〜(1バイアル) |
| 共通するデメリット | 自由診療で保険適用外/効果に個人差/救済制度の対象外/医療機関ごとの品質差 | |
費用と身体的負担は大きく違いますが、制度上のデメリットは共通です。「上清液なら安全」ということではありません。
デメリットを知ったうえで、それでも検討する方は何を見ているのか
ここまで6つのデメリットを挙げました。そのうえで初診にお越しになる方が何を見ているかというと、多くは「今の治療を続けながら、他に選べるものがあるか」という点です。
検査で異常なしと言われた倦怠感、標準治療を続けているが変化が乏しい関節の痛み、コロナのあとから続く不調。こうしたご相談では、標準治療をやめるのではなく、続けたうえで補完的な選択肢として検討されることが多くあります。
当院は、医学的に適応が乏しいと判断した場合は治療をおすすめしません。初診でお伝えするのは、適応の有無・期待できること・できないこと・確定した総額の4点です。その場でお決めいただく必要はありません。
参考にした公的情報
- 厚生労働省「再生医療について」再生医療等安全性確保法の概要と、届出制度についての公式情報。
- e-Gov 法令検索「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」法律の条文。届出制度の位置づけを確認できます。
- PMDA「医薬品副作用被害救済制度」制度の対象範囲。自由診療が対象外である根拠。
- 厚生労働省「医療広告ガイドライン」効果を保証する表現が認められない根拠。
- 国税庁「医療費控除の対象となる医療費」医療費控除の考え方。個別判断は税務署へ。
よくあるご質問
幹細胞治療のデメリットで、いちばん大きいものは何ですか?
幹細胞治療のリスクや副作用にはどのようなものがありますか?
幹細胞治療は危険ですか?
再生医療のデメリットは幹細胞治療と同じですか?
デメリットを説明しないクリニックもあるのですか?
幹細胞治療の費用は医療費控除の対象になりますか?
デメリットを聞いたうえで、受けないと決めても構いませんか?
デメリットも含めて、初診でご説明します
初診(5,500円・税込)でお伝えするのは、適応の有無・期待できること・できないこと・確定した総額の4点です。
その場でお決めいただく必要はありません。お見積りだけをお持ち帰りいただいて構いません。
医学的に適応が乏しいと判断した場合は、治療をおすすめしないこともあります。
ご希望の日時は選択式で、第2希望までお選びいただけます。お申し込みのあとで、その場で治療をお決めいただく必要はありません。
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最終確認日:2026-08-29